☆国道257号線を行く(2)
ということで前回のパート1に続き、R257パート2・愛知県編である。
愛知県突入後、新城市長篠でR151(長野県飯田市〜愛知県豊橋市)と合流する。長篠といえば、織田信長・徳川家康連合軍が武田勝頼を鉄砲隊で撃破したことで有名なところだ。このエリアはさすが信長・秀吉・家康を生んだ地域らしく、歴史で習った地名がたくさん出てくる。ただし長篠の古戦場は、R257からはちょっと外れたところである。
長篠付近。かつて兵たちが駆け抜けた道なのだろう。
2008年現在では、「まっちゃん餃子」「くるみ動物病院」と緊迫感のない看板が並ぶ平和な光景である。
R151と別れると、今度はR420(愛知県豊田市〜愛知県新城市)との重複区間になる。道もセンターラインがなくなり、寒狭川沿いに走る著しく頼りない姿に成り下がる。だんだん人里からは離れてきて、淋しいムードになってくる。ま、秋風を感じながらのんびり流す分には悪くはないけど。
R257+R420。渓流釣りの名所であるらしい。
しかし無駄に背の高い標識である。
ちなみにこのR420は単独区間が愛知県山中の15kmほどしかなく、存在感のなさにかけては本州随一と筆者が太鼓判を押す寂しさ爆発な国道である。しかし国道者的には、ここで唯一見せ場があるのである。そいつがこの交差点だ。
大輪橋Y字路。道と一緒に、川もここで合流している。
1車線の細道同士が落ち合うだけの、信号すらない地味な交差点なのだが、ここにはR257・420・473の3本の国道が絡んでいる。下の写真を見ればおわかりの通り、ここで3国道は重複する相手を入れ替え、別れていく。3国道がパートナーチェンジをする交差点は全国でもおそらくここだけで、見た目は死ぬほど地味でも国道的には豪華なスペックの三叉路なのである。国道の3連標識自体比較的レアであるので、マニア的にはぜひ押さえておきたいポイントの一つである。
手前方向はR257+420,左方向はR420+473,右方向はR257+473。
てことでここからはR473(愛知県蒲郡市〜静岡県牧之原市)とのランデヴー走行に入る。設楽町内は2車線が確保されており、悪くはない道……と思っていたら、ここから結構厳しいつづら折りの峠道が待っている。R257全線の中でも難所に属すると思うのだが、なぜか地図には峠名の記載はない。アルデオ号も老体にむち打って必死に坂を上ることになる。
R257+473。反射材を使った、新型標識の視認性のよさがよくわかる。
峠を登り切ると、突然視界が開けて見通しのよい高原に出る。走っていて気分の良い山村の道で、ちょっとしたお気に入り区間である。
設楽町には町道ひとつひとつにヘキサ標識が立っている。ま、ちょっと県道と紛らわしいが。
しかし幅1.7m制限てきついなおい。
ここで「道の駅アグリステーションなぐら」が左手に出現する。以前通った時は、なぜか看板だけがあって、道の駅本体がどうしても見つからなかった。友人も同じ経験をしたそうで、我々の間では「あれは心の綺麗な人にしか見えない道の駅なのだ」ということになっていた。
以前FM横浜の番組に出演した際、この駅のことにも触れた。「次回は心を綺麗にして再チャレンジしたいと思っています」とコメントしたのだが……今回通ったら、どういうわけかものすごくあっさり見つかった。前回影も形もなかったのはいったい何だったのだろうか。まあ筆者の心も少しは綺麗になったということかもしれない。
筆者の美しい心の証、道の駅アグリステーションなぐら。
記念にカレーを食ってきました。
快適な道を流していると、ほどなく豊田市に入る。以前のイメージだとここらから豊田市はえらく遠かった気がするのだが、合併によって一挙に巨大化したらしい。やがてR153(愛知県名古屋市〜長野県塩尻市)とクロス、交差点付近には「道の駅どんぐりの里いなぶ」がある。温泉がなかなかいいので、時間があるならゆっくり浸かっていきたい。
紅葉の名所、大井平公園。撮影は11月10日、紅葉真っ盛り。ビューリフォーです。日本に生まれて良かった。
あとは数kmで岐阜県に入るのだが、ここにちょっとした新名所ができた。一見何の変哲もないトンネルだが、路面に溝が刻まれており、その上を車で走ると摩擦で音楽が鳴るというものである。曲は「どんぐりころころ」。こちらについては「国道マニア的名所案内」の「歌う国道」の項目に詳しく書いたので、そちらをご覧いただきたい。
メロディートンネル。ま、はっきりいって車に乗っているとほとんど聞こえないのだが。
トンネルを抜ければあと少しで岐阜県。こちらはパート3で。