国道339号線を行く(2)

 ということでR339編その2である(その1その3はこちら)。

 R339はいくつかの町を縫って北上し、芦野公園付近を通過する。ここでは毎年GW期間中「桜祭り」が行われる……らしいのだが、筆者が走った5月3日にはものの見事に全て葉桜と化していた。有名な弘前の桜ももちろん緑色。地球温暖化もヤバいところまで来てるよなあ……と思わざるを得ない。ま、そういう自分も無駄に突っ走ってCO2をまき散らしているわけで、言えた義理では全くないのだが。

 さらに北へ車を走らせると、左手に大きな湖が見えてくる。岩木川が流れ込む十三湖である。名峰岩木山の雪解け水でできていると思うと、何やらありがたい気がしてくるというもんである。


「じゅうさんこ」と読みます。思ったより広いです。

 この湖は一部が日本海につながっている「汽水湖」であり、シジミが名産なのである。近くの道の駅「十三湖高原」ではシジミ関連商品が多く並んでおり、以前紹介した魔性のドリンク「シジミエキス21」もなお健在である。


魔飲料・シジミエキス21。

 ちなみに久々に飲んでみたら、昔感じたほどまずいとは思わず、むしろ結構いけるやんと思ってしまった。慣れというのは恐ろしいというべきか、それとも改良でもされたんだろうか。ま、一度話の種に飲んでおいても損はない。得もないかもしれないけども。

 なおこの道の駅十三湖高原で一休みしていたら、なぜか国道関係の友人に偶然出会ってしまった。神戸から5日かけて走ってきたということで、まさしく奇人、いや鬼神の如き走りっぷりである。神戸の人間と筑波の人間が青森のはじっこで出会うというのもどうかと思うが、これが国道者クォリティというやつなのであろう。友人はここの滑り台は頭から突っ込むと楽しいのでやってみろと主張していたが、筆者は丁重にお断りしておいた。


展望台から見下ろす滑り台。ここはこの手の施設が充実しているので、家族連れにはおすすめである。

 てなことでドライブ再開、ここからは日本海の美しい風景を眺めながらのシーサイドドライブとなる。筆者は基本的に海沿いの区間が好きなのだけど、この「竜泊ライン」は東北でも屈指のシーサイドラインと思う。


竜飛〜小泊を結ぶ竜泊ライン。好天にも恵まれ、気分は最高である。

 が、こういう走りやすい道ができたのはようやく1984年のことで、1970年代以前にはまともな道路と呼べるものはなかったらしい。太宰治の「津軽」によれば、昭和10年代には「波の引くのを待って素早く通り抜けねばならぬところが幾箇所もあった」そうだから、現代技術とはありがたいものである。

 ということで「道の駅こどまり」で遅めの昼飯、ここは海鮮料理が大変おいしい。このへんになってくると折腰内(おりこしない)とか今別とか、アイヌ風の地名が増えてくる。北海道のラジオも入ったりして、ああずいぶん北までやってきたもんだという気になる。

 後は竜飛岬まで、海沿いにかっ飛ばせば着く……と思っていたら、いきなり道はペキッと右に折れ、突如えらい山道を登り始める。ここから先は地形が険しすぎ、海沿いに道が造れなかったらしい。にしても日本という国は、こんなはじっこまできっちりと山ばっかりなんだなと改めて感心する。まるでしっぽまでアンコが詰まったタイヤキみたいなもんだ。

 坂を上り始めると、「↑眺瞰台 6km」という青看板が表れる。こういう展望台までの案内を表示するのも珍しいが、「眺瞰」という言葉自体もどうも造語のようだ。面白いことをやるなあ、と思いつつかなりの斜度の坂をえっちらおっちらと登る。この道ができる前は、竜飛岬まで行くのは恐ろしいほどの難行苦行だっただろうと思う。


羊腸と曲がりくねる道、ってやつですね。

 とはいえ苦労するだけあって、この「眺瞰台」からの眺めは最高である。西を望めば日本海がきらきらと西日を反射し、北を見れば風に吹かれる竜飛岬、そして北海道の松前半島までが一望の下に見渡せる。一般の観光客にとっては、ここがR339ドライブのクライマックスだろう。もっとも国道者的には、さらなる名所がこの先に待っているわけであるが。


画面中央が竜飛岬。新緑の季節、山並みひとつひとつが美しい時期であった。

 ということでさらに北へ、ついに突端の竜飛岬にたどり着く。ここは風の通り道で、風力発電の風車がたくさん並ぶ。「道の駅みんまや」は青函トンネルの記念館になっており、その筋の方々には大変興味深い展示品が並ぶ。が、国道マニアならそんなものに目をくれている暇はない。そう、これだ!


「津軽海峡冬景色」の歌碑。ボタンを押すと、なぜか2番から「津軽海峡〜」が、思わずのけ反るほどの大音量で流れる。

 ではない、お目当ては当然階段国道である。


やってきました、階段国道。

 というわけで、次回は本格的に階段探検である。

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