☆国道の遊び方

 聞くところによれば、鉄道マニアの世界はいくつかの分野に分かれており、鉄道撮影を主体とする「撮り鉄」、全線完乗などを目指す「乗り鉄」、果ては廃線後などを訪ね歩くといった筆者などの理解の及ばない楽しみ方まであるらしい(お前に言われたくはないという声が聞こえてくるが)。

 では我ら国道マニアというのはいったい何を楽しみに各地の国道を走り回っているのか。というわけで、あまり世に知られることのないマニア達の「国道の遊び方」について、頼まれもしないのにじっくりねっとりとレクチャーしてさしあげようというのがこのページである。こらそこの読者、逃げずに読んで行きなさい。

 

 (1)国道探訪・撮影

 ドライブで行った先々で未到の国道を踏んづけ、証拠写真なんかも撮ってくる。まあ一番スタンダードな楽しみ方と言えよう。一年間で全459路線を一挙に制圧した強者も存在するが、まあ国道が逃げるわけではなし、ライフワークとしてぼちぼちと少しずつ攻略していくことを筆者としてはおすすめしたい。

 国道標識の写真を撮影する際にも単に証拠として撮ってくるというのではなく、写真として美しく工夫して撮ってくる人も多い。筆者などあまり写真に凝る方ではないけど、「国道標識を入れて、その道の風情を表す写真を撮る」なんぞとテーマを決めて撮影して回ってみると、素人なりになかなか楽しくもあるのである。




 (2)国道一気走行

 もうひとつ正統派というか極めて男前な国道プレイとして、国道を端から端まで一気に走り通す「一気走行」がある。実際のところ、近所に国道が通っているのは知っていても、その道がどこまで通じているのか、どこで始まってどこで終わっているのかなどということを意識することはまあ普通あるまい。そこで起点から終点までを一気に走り抜き、その国道の全てを一挙に味わってみようというのがこの国道一気走行の狙いである。

 このページでもいくつか紹介しているけど、一本の路線というのは結構山あり谷ありで、近所の道が意外な遠くまで伸びていたり、立派な幹線道路と山奥の頼りない道が同じナンバーを冠されていたりと、走ってみてわかる意外なことは非常に多いのである。また事前にその道の興味深いスポットやら歴史やらの知識を仕入れておくことが、旅の興趣を一層増すものであることは言うまでもあるまい。

 注意すべきは、一気走行というのは非常にしんどいことである。初心者が気軽に「国道4号(東京都中央区〜青森県青森市、全長742km)でも完走してみっか」などと考えると、まあたぶん青森どころか宇都宮あたりでくたばるはめになる。またR134やR296などといった渋滞で名高い路線、R157やR439など名だたる酷道に気安くチャレンジするのもおすすめはできない。たぶん途中で吐く。まず最初はせいぜい150km程度までの、比較的短距離の路線から攻略することを推奨したい。


初心者お断りの地獄酷道、R425。崖-道-崖というルパン三世状態の道のりが延々と続く。

 以下はややマニアックになるが、国道には目には見えない重複区間を持つものがある。例えば国道8号は滋賀県栗東市でR1にぶつかって終わっているように見えるのだが、実は法律上はR1と重複してさらに先まで伸び、京都市の烏丸五条交差点が終点なのである(R9の起点でもある)。また思わぬ場所に一方通行区間があったり、できかけのバイパスがあったりでルートがはっきりしないなど思わぬ障害に出くわすこともある。こういうのをどう扱うかは個人の裁量であるが、厳密にやりたい向きにはKOKUDOU.COMなどのサイトできちんと下調べをしてから出発することをおすすめしておく。

 

 (3)旧道探検

 いったん国道として指定された道も、バイパスができて整備されると旧道は県道や市道へと降格になり、国道指定を外されることになる。とはいえ旧道は地元民の生活道路としては立派な現役であり、古い町並みなどが残っていて独特の風情があったりもする。で、地図や各種資料を眺めながら、この道の旧道はどのようなルートをたどっていたのだろうかと探ってみるのはなかなかに奥の深い楽しみであったりする。で、実際に現地を訪ね、旧道にかつて国道だった証拠などを見つけると喜びもまたひとしおなのである。


路線バスのルートは、旧道のルーティングを推測する際の貴重な資料となる。
写真は茨城県日立市の旧国道6号、「旧道下孫」バス停。

 旧道というのも一筋縄ではなく、中には封鎖されていて通れなかったり、宅地造成で潰されて跡形もないなどというケースもあるので、注意が必要である。また山中の旧道ではほとんど廃道となって崖崩れなどが放置されたままになっているところもあり、うかつに入り込むと非常に危険な場合があるので注意すべきである。

 

 (4)名所探訪

 国道の世界にもいくつか「特異点」というか、マニアの人気を集める名所が存在する。R339階段国道なんかは一般にもかなり有名だが、R289登山道おにぎりなども国道界では必ず訪れるべきポイントとされており、「これに触れると三年寿命が延びる」という俗信まで存在するほどである(言い出したのは筆者だが)。

 これら必修単位ともいえるポイントはいくつか「名所案内」のページで紹介しているのでご参照いただきたい。国道の起終点が多数結集している交差点、珍標識(こちらは「霧に走る」などを参照)見物など、テーマを決めて走っている人も多い。中には長大トンネルファン、ループマニア、「国道末端」(山中で国道が途切れている地点)探検者など、正直筆者にもよくわからないほどのハードコアなアプローチで国道探求に取り組む人も存在するので、このあたりは各自の研究にお任せしたい。

 もちろんまだ知られざる名所も、全国には多数眠っているに違いない。新たな切り口で国道界に新風を吹き込むのはあなたかもしれないのである。

 

 というわけでこのあたりが基本的な国道の楽しみ方であるが、さらに濃厚なスタイルで国道に取り組む者も中にはいる。次項ではさらにコアな国道マニアの世界をお目にかけるとしよう。


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