Molecule of the Week (10)

赤が酸素、青が窒素、白が水素、他は炭素。CPK(空間充填)モデルと呼ばれる表示形式。

 ドイツのKlaus Mullen教授が合成した、雪の結晶を思わせる美しい分子です。6つの腕の先端にあるペリレンカルボキシジイミド(紫色の部分)が光を吸収し、真ん中のコア部分にそのエネルギーを伝えるというシステム、とのことです。まあ筆者にも物理的なことは正直よくわからないのですが(笑)、あまりにも美しい分子なので取り上げてみました。

 ベンゼン環を蜂の巣状にたくさんつなげた分子は「多環式芳香族炭化水素(PAH)」と呼ばれます。Mullen教授はこの分野の第一人者で、他にも目を見張るような美しい化合物を次々に世に送り出しています。もちろん氏は単に遊びで美しい分子を作っているわけではないのですが、たぶんこの先生の研究を支えるエネルギーは「六角形の分子をこよなく愛する心」から出ているのだろうな、と筆者は勝手に思っている次第です。

 Tetrahedron Lett. 46 (2005) 1565 J. Wu et al. 

 

 関連リンク:亀の甲をつなげると

 今週の分子バックナンバー

 有機化学美術館トップへ