☆バラ
(川崎敏和・作 「バラと数学と折り紙と」より)

(和紙、26cm×26cm)
川崎さんの本業は数学者で、世界で初めて折り紙の幾何学で博士号を取ったすごい方です。その理論は作品にももちろん生かされており、この「バラ」にはねじり折りという技法が使われています。いくつかあるバージョンのうち、一番手が込んでいて一番見事なものです。
この作品も一枚の紙を折るだけでできていますが、とうていそうは思えないほど生命感があり、本物の植物の上に乗せても違和感を感じさせません。作者も指定している通り、この柔らかな風合いを出すためには和紙が最適です。植物から生まれた和紙が植物に返る、そんな思いさえ抱かせてくれる作品です。