☆沖縄毒物フェスティバル
今回は双尾まさきさんから大規模な報告がありました。毒物どころ沖縄から一挙9種の危険物軍団です。ではどうぞ。
はじめまして。双尾まさきと申します。
貴サイトを楽しく拝見させて頂きました。
残念ながら、私は折り紙や有機化学についてはまったく知識はございませんが、不味いドリンクに関してならば、それなり実体験を持っているといえます。そこで、実体験をいくらか報告する事でお役に立てれば幸いと思い、メール致しました。
長文になりましたがご容赦下さい。
うーむ。文面を見るかぎり若い方のようですが、きちんとした言葉遣いといい、達者な文面といい見事なものです。まだまだ日本も捨てたもんじゃありません。おじさんはうれしい。で、本題。
あれは1999年3月、私はクラブの合宿で、メンバー11人と沖縄に行った時の事です。
自由行動の時間に友人と二人で、沖縄のメインストリート、国際通りを観光をしていた時、本土では見られないドリンクが売っていることに気付きました(自販機のディスプレイの色が、本土と違うのです)。みんなに飲ませるために面白がって買い集めていると、11本集まってしまいました。そのうち9種類は以下の通りです。
ドクターペッパー
シークワシャージュース
グァバジュース
さんぴん茶
ハイサイ!ゴ−ヤ茶
トッチュラー
黒糖玄米
ミキ
ルートビア
残り2つは忘れました。メーカーもルートビアしか覚えていません。申し訳ありません。
これをあみだくじで一人一本割り当てました。
もちろん、割り当てとは関係なく、全て味見をした事は言うまでもありません。
うーむ、名前を見るだけでもなかなか期待させます。ではレポートの方どうぞ。
○ドクターペッパー
まずはかの有名なドクターペッパー。
空けた瞬間、広がる薬のような香り。まさに『20種類以上のフルーツフレーバー』。
高い知名度は伊達ではありませんでした。
判定=★★★★
メジャー系毒物の定番ですからね。これは文句なしでしょう。
○シークワシャージュース
○グァバジュース
「シークワシャー」は「ヒラミレモン」とも呼ばれる沖縄名産の果物、「グァバ」は熱帯地方でよく栽培されている果物です。
前者は少し癖があるけれどさっぱりとした酸味、後者はこくのある甘味で、美味しかったです。これは本土でも発売して貰いたいものです。
判定=無毒
あらら。名前を見るかぎりかなり破壊力がありそうでしたが。グァバは毒物の有力な素材としてこのページでも何度か槍玉に挙がってますが、こいつは大丈夫だったようで。
○さんぴん茶
沖縄で良く飲まれているお茶で、ジャスミン茶です。
初めてだと、ちょっと合わない人もいるかもしれません(私がそうでした)。
普通に美味しかったです。
判定=無毒
ふむ。まあジャスミン茶は筆者も初め嫌いでしたが、まあ慣れれば飲めますからね。中華料理に添えられているイメージですが、沖縄でもメジャーなのですな。
○ハイサイ!ゴ−ヤ茶
すでに紹介されていますね。えらくあっさりした味でした。
判定=無毒
なんつーことはない味わいですね。これほど期待外れな飲み物もありませんでした。これではゴーヤーマンも泣くというものです。
○トッチュラー
缶の色が変です。変なピンク色の怪獣が描かれています。こいつがトッチュラーなのでしょうか?これは期待大です。
・・・普通の杜仲茶でした。つまらない・・・。
判定=無毒
これも見かけ倒しですか。トッチュラーという語感はかつての世界王者・具志堅用高氏の名ゼリフ「ちょっちゅねー」を思い起こさせ、つかの間筆者をも沖縄の南国気分に浸らせてくれます。しかしまあ無毒ではしょうがない。
○黒糖玄米
ここまでは「やっぱりドクターペッパーが一番不味いな。って言うか、他のは結構普
通じゃん」
などと言い合っていました。
そんな時に開けられたのがこれ。
うわ、ついに出た。米系ドリンクはかなりの確率で惨事を招くことは実証済みですからね。黒砂糖というのも独特の風味があるだけに、かなり両刃の剣的な要素を秘めた素材といえるでしょう。で。
茶色の缶に書かれた売り文句は『健康玄米飲料』。ついに当たりか!?
缶を開けると意外と美味しそうな黒糖の香り。そして一口。
・・・確かに健康に良さそうで、黒糖と玄米の味がしました。
そして口の中にいつまでも残る甘ったるい後味。
さんぴん茶なりトッチュラーなりを残しておかなかった事を後悔しました。
判定=★★★★
ふむ。星4つで済んだのはある意味救われた方かもしれません。黒砂糖と玄米でうまいジュースを作れというのは、阪神タイガースの戦力でAクラスに食い込んでくれというようなものでしょうから。あ、大阪方面の方、白い粉の入った封筒なんか送ってこないで下さいね。
ちなみに筆者は強そうな毒物を飲むときには、毒消し用に緑茶系の飲み物を一緒に買うことにしてます。へたに甘いやつを飲むと、口の中で化学反応を起こして、なにか食品としてありえない味がするときがあります。気をつけましょう。
○ミキ
『黒糖玄米』と同じ会社の製品。
缶の色はクリーム色と言うか、薄茶色と言うか。
そこに書かれる『飲む極上ライス』の文字。
む?これはかの韓国の最強毒物「モーニングライス」と同じパターン。
嫌が応にも高まる期待。そして一口。
「・・・甘ぁ〜」
ドロっとした舌ざわり、米の風味、なんともいえない甘ったるさ。
あんころもちを水に溶かして砂糖を加えればこんな味になるでしょう。
まさにこれはモーニングライス。凄い会社ですね、このメーカー。
コップに移し替えて見ました。
どろどろとした白い液体に、得体の知れない粒々が浮かんでいました。
200ml缶で、しかも何人かが味見したにもかかわらず、
これにあたった人は飲み終わるまで30分かかりました。
判定=★★★★★
強烈です。なんとなくドラえもんに出てきた「ジャイアンシチュー」(煮干し、たくわん、大福などを煮込んだジャイアンのオリジナル料理)を思い出してしまいました。これが沖縄毒物最後方、いや最高峰か!と思ったらまだ続きがあるようで、それがルートビア。
○ルートビア
『ミキ』という白い衝撃が通り過ぎた結果、場が静まり返ってしまいました。
そこに残っていた最後の飲み物、それが『ルートビア』でした。
原材料はコーラと似たようなもの。それならばそんなにまずい物ではないだろう、
と全員が楽観していました。
ですが、その時誰も知りませんでした。原材料名の表記は、コカコーラと
ドクターペッパーで全く同じであるという事を。
という事は、コーラと似た材料で毒物を作る事ができるという事を。
そして、沖縄ではドクターペッパーが売れているという事を。
空けた瞬間、部屋に広がる異様な香り。
ドクターペッパーは『薬のような香り』でしたが、こいつは『薬の香り』です。
それも病院の飲み薬に、絶妙な配合で漢方薬を調合したような香りです。
ひるむ心を抑えて一口。
・・・ちなみに名前にあるrootとは植物の根の事。
各種の植物の根の汁を原材料にしているそうです。
そんな事は缶には全く書いていませんでしたが。
アメリカのA&Wというファーストフード店が開発した飲み物だそうです。
本土では見かけない店ですが、沖縄には結構あります。
ちなみに、お代わり自由だそうです。
え、味ですか?書かなきゃ駄目ですか?しょうがないですね。
口にゴボウでも含みながらドクターペッパーを飲めば、あの味に近づけるかもしれません。
判定=佐藤さんが許してくれる限り
まさに飲むテロリズム、タリバンもびっくりです。筆者から付け加えることは何もありません。現在まで報告された中でもおそらく最高ランクに位置することになるでしょう。なんとこのルートビアに関しては、TATSUROさんからも同時期に報告をいただいています。こちら。
毒物ドリンクについて、極め付けの物を投稿させていただきます。
それは「ルートビアー」という缶入り清涼飲料で、今からおよそ二十数年前に湘南方面でサーファーが良くのんでいました。
缶のプルトップを開けた瞬間はCRC−556(呉工業の防錆潤滑剤)の臭いがして、一口飲むと歯磨き粉の味がして、飲み終わってゲップをするとサロンパスの香りが口一杯に広がるという、一缶で三度おいしい?という優れものでした。
最近はすっかり見かけないですが、どなたかご存知の方がいらっしゃれば是非教えてください。どうしても忘れられないあの味を、今一度味わいたいと思う今日この頃です。
……てことは本州でも売られていたんですね。絶滅寸前まで追いやられた後、沖縄に安住の地を見いだしていたのでしょう。TATSUROさん、これは沖縄まで足を伸ばすしかありません。
一挙報告ありがとうございました。この方からは北海道毒物フェスティバルの報告もいただいていますので、近いうちアップする予定です。