☆ヘビ使い(北條高史 作・制作)


 「空間如来」の作者である北條さんから年賀状をいただきました。そこに載せられていた新作がこれ、「ヘビ使い」です。もちろんへび年を意識したものですが、3匹のヘビの動きがなんともユーモラスです。

 現在、手や顔のパーツの折り方というのはいろいろなパターンが開発されており、それを1枚の正方形の中に適当なプロポーションで割り付け、折り出す方法論はほぼ確立されています(といっても筆者にはできませんが(^^;)。ただしそれだけでよい作品ができるわけではもちろんなく、そこから紙の重なりの処理、細部の表現などで作者個人の技量やセンスが問われてくるわけです。

 この作品ではターバンのしわ、落ち窪んだ眼、浮き上がったアバラ、筋張った手の甲などから、インドのどこか街角に座り込んでいる怪しげなへび使いの姿が目に浮かんできます。設計技法を使いながらもきちんと一目で北條作品とわかる個性を保持しているのはさすがです。

 この作品について北條さん本人からコメントをいただいています。


人物の造形は、ほんとうはもっともっとうさん臭くしたかったのですが、このあたりに落ち着いてしまいました。表情はかなり試行錯誤しましたが、ヒゲをつけたら突然まとまりがよくなりました。このあたりは木工用ボンドとピンセットを駆使して(?)粘土細工のように仕上げています。(こういうところはなじめない人もいるかと思いますが。)  

用紙は35センチのコルキー(70kg)。(三年前の個展の時からほとんどこればかりなのでマンネリ化が心配・・・。)適度な硬さをもっていて、「紙と格闘する」感触が心地よい紙です。(空間如来のレザック75(90kg)は、これよりももう少し硬めですが、作品が完成したときの「征服感」はコルキーよりも大きいですね)


とのことです。「空間如来」と違いユーモラスな作品ですが、やはりそこに注ぎ込まれる作者のエネルギーには膨大なものがあるようです。  

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