国道411号線を行く

 東京から甲府に抜ける国道は何号かと問われれば、たいていのみなさんは国道20号(甲州街道)と答えることであろう。しかしこれだけでは正解ではなく、実はその北にもう一本R411というのが走っている。大幹線であるR20が調布、府中といった郊外の都市群を直線的に抜けていくのに対し、R411は八王子から甲府までを山並を縫ってひっそりとつないでいる。ほぼ全線に渡り山岳路線で、今まで取り上げてきた道とはちょいと趣が違う。どう違うか、さっそくスタート。

さてR411の起点はR16八王子バイパスの分岐点近くにある「左入町」という交差点。ここからしばらくは「滝山街道」を名乗ることになる。


起点に立つ「滝山街道」の看板。ここから旅は始まる。補助標識は「ここまで」なんだけど。

 出発してしばらくは2車線のヘボい道が続く。おにぎり標識も全然立てられておらず、今一つ国道感に欠ける出だしである。


起点から5km以上走り、ようやく初おにぎり発見。見ての通りあまり広くもない普通の道。

が、実は現在このちょっと南に、立派な4車線の「新滝山街道」が建設されつつある。現在都道169号線を名乗っているが、将来はここがR411のバイパスとして供用されるはずである。後述する圏央道へのアクセス道路の整備といった意味あいもあるのであろう。


え、なんで?といいたくなるくらい不釣り合いに立派な新滝山街道。交通量ほぼゼロ。

しばらくは西へ向けて走るが、あきる野市に入るあたりで突然方向を真北に変える。と、左手に大規模な工事現場が現れる。建設中の圏央道あきる野ICだ。


こういうのを見ると人間てのはすげえもんを作るなあと感心してしまう。遠くにかすかに見えるのは東京サマーランドの観覧車。


上の写真の2年後。圏央道あきる野ICは多摩川をまたぐ巨大な建造物としてその姿を現した。

 しかしこのあきるのICにも大気汚染などを理由とした反対運動が持ち上がっているらしい。確かにインターチェンジができれば大量の車が流入して、東京に残された数少ない自然が痛手を受けるのは間違いない。しかし首都圏の膨張と車両数の増大を考えれば、首都高と外環だけでは増大する交通量をさばき切れないのもまた明白。ありとあらゆる車が全て首都高を目指す(目指さざるを得ない)現状を考えると、圏央道の建設はぜひとも必要、と筆者は考えるのだがどんなものであろうか。

 道はちょいとした峠を越えた後青梅市に入り、多摩川を渡る。ここからR411は多摩川とJR青梅線とを伴走者として西へと向かうことになる。


この橋から眺める多摩川は美しい。紅葉の季節は特におすすめだ。

 さてそのJR青梅線の軍畑(いくさばた)駅前の坂が、車道としては日本最高クラスの急坂であるという情報を聞き、ちょっと寄り道してみることにした。


現実の坂のインパクトはこんなもんではない。スキー場も真っ青である。

 この坂を下る人はみな駆け足である。というより駆け足以外できない。車では走らなかったが、筆者のステーションワゴンでは後ろにひっくり返りかねない。坂の一番下には「止まれ」の標識が立っているのだが、こいつは止まれませんて。急坂注意の標識は残念ながら立っていないが、測定すれば25%くらいはあると思われる。

 しかしこの軍畑駅、とうてい都内の駅とは思えないとてつもないローカルさ加減である。筆者は鉄道方面にはうといのだが、駅舎に物干し竿があって洗濯物が干されている駅というのは都内でもここくらいなのではあるまいか。


どう見ても駅というより民家だ。なんだこの生活感の漂いっぷりは。

 さらに西へ向かうとだんだん山は深くなり、とても東京都とは思えない深山幽谷の趣を呈し始める。トンネル群をくぐり抜けることしばし、奥多摩ダムに到着。東京都の貴重な水源の1つ、古い歴史を誇る人造湖である。何を隠そうR411は、この奥多摩ダムの工事のために切り開かれた道をそのまま国道指定したものなのだった。


人造湖ながら、なかなかに風情ある景色。

 この周辺でR411はずっと奥多摩湖沿いを走り、美しい風景を堪能しながらのドライブができる。いくつもの色とりどりの橋がかかっており、静謐な風景と相まってなかなかの風情をかもし出している。


奥多摩湖にかかる深山橋(R139)。こちらに行くと松姫峠というえぐい道が待っている。

 しばらくして道は東京-山梨都県境を越える。ここから先はパート2で。

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