国道411号線を行く

 というわけで続き。R411は山梨県に入ると、その名を「青梅街道」から「大菩薩ライン」へと変える。急峻な峠道が続くが、十分に整備されて道幅も確保されており、なかなか走りやすい。いかにも走り屋が現れそうな道であるが、それらしき姿を見かけなかったのはやはりあまりに山奥であるせいか。筆者の腕と車では「頭文字D」のようにいはいかず、うんこらよっこらせと安全運転でヘアピンを抜けていくことになる。


「大菩薩ライン」の標識と愛車。正面の山に見えるジグザグの白い筋がR411である。何もない山の中、ひたすらにヘアピンの繰り返しで高度を稼いでいく。

 美しい渓谷を左右に見ながら登ることしばし、ついに柳沢峠の頂上に辿り着く。標高は1472m、休憩所と故事来歴を記した石碑がある。峠の茶屋らしきものもあるのだが、飯島直子の人形などが立っていたりしてちょっとばかり雰囲気をぶちこわしているのは否めない。気温も低いが、それだけではないひんやりした空気がそこに流れていた。

 


ここから眺める雲の峰は素晴らしい。天気がよければ富士山も見えるそうである。


あまり本題とは関係ないが、咲き乱れるツツジが美しかったのでもののついでにゲット。

 ここから道は、ローギアのお世話にならなくてはならない急な下り坂になる。ここも工事が最近まで行なわれていたが、現在では高架橋の連続するかなり金のかかっていそうな道路に変貌している。ちょいちょいと温泉なども点在しており、百名山のひとつである大菩薩嶺を望みながらゆっくりつかるのもなかなか気分がよろしい。

 そうこうしているうちに塩山市街が見えてくる。R411はこの塩山市内の細い道をジグザグに曲がりながら抜けてゆき、ナビなしでトレースするのはちょいとばかり難しい。現在これを避けるバイパスが建設中で、この下り坂から甲府盆地を一望することができる。この地形を見るとなるほど盆地とはうまいことをいったもんだと納得してしまう。夜景も美しく、これはなかなか使えそうだ(←何に)。


塩山バイパス。果樹園と花に囲まれた快適なドライブルートだ。

 塩山市街を抜けると次は勝沼町。ここらはブドウの産地として有名で、そこらじゅうブドウ農園だらけと言って過言ではない。ワインの店なんかも数多くあるが、ここらで食べた巨峰ソフトクリームも美味しかった(店名失念)。


今はシーズンオフだが、秋にはぶどう狩りの観光客でにぎわうのだろう。

やがてR411は等々力の交差点を右折して進路を西に変え、川沿いの区間に入る。非常に眺めがよく、いい気分で走れる区間だ。

 

笛吹川沿い、石和温泉付近。360度どこを見ても山に囲まれているのが関東平野とは違うところ。できれば晴れてる日に撮りたかった風景。

 石和町の八田交差点で再び右折し、また急に雰囲気が変わる。今度はわりに狭い市街地で、一転してせせこましい走りを強いられ、流れも悪い。実はここらはかつて甲州街道(旧R20)だったところらしい。こうした狭く、クランク状に屈曲した道路というのは敵の侵入を防ぐための、戦国から続く城下町に特有のものだ。まあ武田信玄公も450年後の交通渋滞までは予測していなかったであろう。


甲府が近づくにつれ流れも悪くなる。これがR20だったころはどれだけ混んだことか。

 にもかかわらずというべきか、このへんの人々は実に信玄が好きだ。甲府駅前には大きな銅像が建てられ、お土産は桔梗信玄餅、温泉といえばみな信玄公の隠し湯、名物料理のほうとうは信玄の採用した野戦食という具合で、なんでも信玄公のおかげという感じである。


ほうとうのチェーン店「小作」も紋所は武田菱。筆者は甲府に来ると必ず立ち寄る。写真は甲府駅前店。

 甲府の中心に近づくにつれデパートや銀行が増えてゆき、最後は「甲府警察署前」交差点で駅前通りにぶつかってR411は終了する。ここは同時にR52の終点でもある。なんか不自然な終わり方だが、これはR20のコース変更のため隠れていた起終点が浮いてしまったためだろう(このへんのことが推測できるようになれば国道マスターは近い)。


ここが終点。峠道であったR411は市内の大通りになっていた。

 

 というわけで全線118.7kmを走り終えた。国道としては距離的に短い方に属するが、走りごたえは十二分。特に新緑の季節、紅葉の季節には美しい風景を満喫でき、ドライブコースとしてはまさに最適。何より、東京からすぐ近くで自然の香りが感じられるのがよい。中央道に飽きたあなた、たまにはこういう道をのんびり走ってみるのも悪くないのでは?

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