☆ロングドライブ基礎講座(2) 〜休憩・宿泊編〜

 (1)休憩
 疲労の蓄積は思わぬ事故につながるので、ロングドライブで休憩タイムは大変に重要である。2時間に一度は車を降り、深呼吸などするようにしたい。特に眠いときなどは、どこかに車を止めて15分くらい仮眠してみるとよい。驚くほど疲れが取れ、頭がすっきりする。変にコーヒーなどがぶ飲みしながら先を急ぐよりも、こうして一息入れた方がよほど安全確実であり、遅れなどすぐ取り返せるものである。

 経験的には、仮眠は15分がベストである。あまり長時間熟睡すると、起きたとき頭がぼんやりして逆に事故につながる。高速道路を逆走などという「まさか」と思うような事故は、たいていこういう時に起きているらしい。筆者の場合、とある道の駅で前に車止めがあったことを忘れて思い切り前進してしまい、車止めを乗り越えてしまって動けなくなるというミスをやらかした。結構人がいたのだが、みな遠巻きに眺めるだけで誰も助けてはくれず、横で体育座りをしながらJAFの救援を待つ間が死ぬほど情けなかったことを思い出す。というわけで長時間寝た後はいったん車を降り、軽く柔軟体操でもすることをお勧めしたい。

 もちろん道の駅やサービスエリアなど、みやげ物をぐるっと見て回るのもよい気分転換になるだろう。しんどくなったら本屋かコンビニで立ち読み、というのが筆者のパターンである。

 (2)車中泊
 a.場所
 宿泊に関しては、車中泊派とホテル派に分かれる。前者の場合、トイレ・自販機・スペースの揃った道の駅などは最適だ。最近は利用者が多く、幹線国道沿いでは夜でも駐車場がいっぱいで止められないことすらある。このため、遅くまで騒いだり勝手にテントを張ったりして、他車に迷惑をかけぬよう心がけたい。一晩中アイドリングしながら寝ているトラックなどもいるので、そいうのからは離れて素早く確実に暗く静かな場所を確保すべきである。

 最近では道の駅内に温泉・コンビニなどが併設されているところもあり、こういうところは拠点としては大変に便利であるのでいくつか押さえておきたい。長野県の「マルメロの駅ながと」などこれらに加えなぜか居酒屋までがあって、車中泊派にとって大変頼れる道の駅である。また最近では温泉や仮眠室を備えたサービスエリアなどもあるので、利用しない手はない。


車中泊派にとってうれしい設備を備える道の駅・マルメロの駅ながと。

 道の駅なんかで寝てると変な連中に襲われたりしないかなどと心配になる向きも多いかと思うが、最近は人も多いので結構安心なものである。道の駅のインフォメーションスペースなんかで、ライダーのみなさんが平然とゴロ寝している姿なども結構見かける。アメリカだと速攻で金品を奪われるところだろうが、何だかんだ言いつつやはり日本は平和な国だなと思わされる。

 なお、どういうわけであるのか知らないが、新潟県で車中泊をしているとかなり高い確率でパトカーがやってきて、職務質問を受けることになる。筆者は4回ほど出会った。悪いことをしているわけではないのであるが、最初は結構びびった。北○鮮の関係か何かかなあと思っているのだが、真相は不明である。

 車中泊スペースとしては本来車一台置けるところであればどこでもよいわけであるが、民家が近いところやコンビニの駐車場などでは、不審者と思われかねないし迷惑にもなるので避けるべきであろう。またあまり山の中の淋しいスペースでは相当に怖いし、暴走族の方々などに襲われる危険もなしとしない。基本はやはり道の駅やサービスエリアがよいのではないか。

 b.睡眠の技法
 車内で眠る際のフォーメーションに関しても工夫の余地がある。大きなミニバンなどでフルフラットになるものならそれもよいが、筆者の車(ビスタ・アルデオ)の場合完全なフラットにならずかえって寝苦しい。いろいろ工夫した結果、普通にシートを倒し、腰の下に小さなクッションを入れて眠ると体勢が安定して寝やすいことを発見した。また運転席ではハンドルがあって身動きしにくいため、助手席に行く方が寝返りなど打ちやすい。エコノミークラス症候群を防ぐためにも、このへんの工夫は重要である。各自、自分の車に合わせて試行錯誤してみていただきたい。

腰の下にできるスキマをクッションで埋めるだけで、ぐっと寝やすくなる。

 防寒・防暑についても工夫がいる。一晩中アイドリングしてエアコンをかけっぱなしにしている車も多いが(特に長距離トラックの運ちゃん)、騒音や環境保護の観点からおすすめできる方法ではないのはもちろんである。筆者の場合、寝袋と毛布を車に搭載しており、これでたいていの寒さはしのげる。北海道のサロベツで10月に車中泊した時はさすがに生命の危険を感じたのでエアコンを使ったが、なるべく避けるべきであろう。

 暑いときは窓を少しだけ開けるなどしたこともあったが、これは一晩中蚊とのバトルを繰り広げるはめになる可能性が高い。標高の高いところを選ぶのが第一の対策であり、快適に眠れることが多い。とはいえ真夏や真冬はやはり車中泊は基本的に避け、宿の確保に全力を挙げるべきであろう。

 (3)ホテル宿泊
 ホテル宿泊の際は、筆者の場合たいてい予約など入れず、一日走って力尽きた辺りで適当に探すので、飛び込みで見つけることとなる。ただし一度神戸で「ビジネスホテルマヤ」というところに入ってみたら、入口正面にパネルがあり、空いている部屋にランプがついているという、極めてビジネスホテルらしからぬシステムを採用していて驚愕したことがある。結局やむなくそこで泊まったが(泊まるなよ)、一人で全面鏡張りの部屋、枕の2つある異様にでかいベッドで眠るのはかなり厳しい経験であったことを申し添えておきたい。

 というわけで、最近ではローソンやファミリーマートに「当日の宿」を予約できるシステムが設置してあるので、この利用をお勧めする。リーズナブルな価格で、まず間違いがないレベルのホテルが確保できる。他、ルートインα-1東横インなど全国展開しているホテルチェーンは部屋のレベル、従業員の対応、無線LANなどの設備などたいてい整っており、価格もそこそこであるので安心して泊まれる。

 飛び込みで宿が確保できるのかと心配な向きもあろうが、筆者の経験ではGWの最盛期を除き、そこそこの規模の都市でならぜいたくさえ言わなければたいていホテルをゲットできる。長旅の場合やはり車中泊ばかりでは疲れが抜けきらないので、ベッドでゆっくり眠る日を作るべきである。筆者は最近は年のせいか車中泊もしんどいので、たいていホテル泊である。

 (4)その他の宿泊地
 かといって、大都市圏ではホテルの値段も7000円台は覚悟せねばならない。少し節約したいという向きには、マンガ喫茶や健康ランドを活用する手段もある。マンガ喫茶は最近では宿泊プランつき、さらにコインシャワーなど備えているところもあり、車中泊よりずっとよい環境で眠ることも可能だ。健康ランドはホテルよりもかなり安い値段で泊まることができ、温泉・飲食・マンガ・マッサージなどなど取り揃えられているので、行ったことのない方は一度チャレンジをお勧めしたい。しょうもないカプセルホテルと同等の値段で、よほど優雅な一夜を過ごせること請け合いである。

 その他、アウトドア好きの方ならばキャンプ用具一式を持参し、オートキャンプ場で一泊という手もあるだろう。ただしこれは正規にキャンプが行えるところに限るべきであるのはもちろんだ。道の駅でテントを広げて宴会をやっていた連中が、怖いお兄さんに怒鳴られてトラブルになっていたのも目撃したことがある。やはりマナーを守って楽しい国道ライフを過ごしたいものである。

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