国道139号線を行く・その2

 というわけでR139編第2部である。R138との交点を過ぎると道は4車線となり、走りやすい道路が続く。東富士五湖道路との交点付近にあるのが富士急ハイランドで、巨大なジェットコースターから国道にまで悲鳴が響いてくる。


筆者としては、金をもらってもこんなもんに乗りたくないのだが。

 この先は河口湖・西湖や風穴・氷穴など観光資源の雨嵐といった趣である。「富士パノラマライン」の他、名物のとうもろこしにちなんで「とうもろこし街道」などという愛称もあるらしい。


この長●剛は以前はサングラスをかけていなかった気もするのだが、もしかして訴訟対策か?

 なんでか知らないが真夏でもクソ寒い鳴沢氷穴を過ぎて、しばらく行ったところに「道の駅なるさわ」がある。ここは関東でも屈指の広さを誇る道の駅で、定番の名産品店の他、富士山博物館や「富士眺望の湯 ゆらり」なる温泉まで揃っており、広い駐車場もいつも満員になるほどの盛況ぶりである。鳴沢の村おこしにも大きく一役買っているようだ。

 とはいえいいことずくめでもなく、この道の駅の周りではドライブインがごろごろ潰れており、まあ死屍累々といった有り様である。あれだけの施設、路上への案内、右折レーンまで公共の資金で完備されたのでは、個人経営のちっぽけなドライブインではまず太刀打ちできまい。各地で好評を得ている道の駅だけれど、ちょっと考えなければいけない時期に差しかかっているのではあるまいかという気もする。


広大な敷地、施設、眺望、温泉まで取り揃え、豪快に民業を圧迫する道の駅なるさわ。

 道の駅手前から道は2車線になるが、道幅は十分で相変わらず爽快に飛ばせる。このあたり、R139はいわゆる青木ヶ原樹海をまともに突っ切っているのである。「一人で悩まず相談を」などという警察の立て札なんかも立っていて、やっぱり自殺の名所なんだなと思わせる。


道路から樹海を覗き込んでみると、切れたビニールテープの切れっ端があちこち下がっている。度胸試しに入って行くアホがいるのだろう。

 本栖湖、精進湖を過ぎて静岡県に入るとだだっ広い草原に突入する。さえぎるもののない中富士山だけが雄大にそびえ立ち、ちょっと日本離れした光景だ。新興宗教の教祖が本拠地を置きたくなる気持ちもわかるような気がする(土地も広いことだし)。


道の駅朝霧高原。あたりにはパラグライダーの練習所があり、色とりどりのグライダーが空を舞っている。

 後は一面の草原の中を南下する富士宮道路に突入する。ここはかつて有料道路だった区間で、道の作りも高速道路並み、案内看板も緑色なのでなんか違和感がある。こんな立派な道が必要だったのかよ、というくらいの道路だが、これでもハイシーズンには結構混み合うらしい。


知らずに来ると「いつ高速に入っちまったんだ?」と思ってしまうくらいの作り。

 このページをアップした後、「このへんの区間は県道71号という道が並行して走っており、そちらも走りやすくて便利」との情報をいただいた。先日走ってみたところ、確かにR139本線よりは劣るものの十分に走りやすい道で、途中牧場などもあってなかなか楽しい。スピードを出すならR139だろうが、ドライブの楽しさを求めるなら筆者もr71に軍配を上げたい。紅葉スポットとしてもちょっとした穴場で、この季節おすすめである。


10月中旬、早くも色づき始めた木々の間を駆け抜けるr71。

 さてこの区間のずっと西の方には、R52という道が富士川に沿って南北に走っている。これはかつて静岡県清水市〜長野県上田市を結んでいたR141の南半分だけが重要性を認められて独立し、2ケタへ昇格した国道である(正確には韮崎〜甲府間が付け加えられ、R52は折れ曲がった変なルートで清水〜甲府を結ぶ。現在のR141は山梨県韮崎市〜長野県上田市)。

しかし実際R52とR139を走り比べてみると、通過する都市・観光地、交通量、道路の作りなど、言っちゃあなんだがあらゆる面でR139の圧勝である。R1とR20をつなぐ国道、という意味では昇格すべきはどう考えてもR139の方だったように思える。詳しい事情はわからないけれど、やっぱりそのころこのあたりに有力な政治家でもいたのかなあ、とつい勘ぐってしまいたくなる(追記:その後知ったことだが、故・金丸信代議士の出身地がR52沿線の山梨県白根町で、建設中の中部横断道もこの部分が真っ先に建設された。それとこれと関係があるかどうかはわからない)。

国道番号が一般に浸透してしまった今となっては、国道番号の付け替えは二度と起こりそうになく、R139が2ケタの番号を名乗るチャンスはどうやら永遠になさそうだ。昇進が、実力だけでなく運不運や情実で決まってしまうというあたり、国道も人間と同じことのようである。

 

 この後のR139は4車線のバイパスとなり、最後の富士市に突入する。富士市内ではR139は2本に分裂しているが、将来的には現在有料の西富士道路に一本化されることになりそうだ。ここらも快適すぎて特に触れることもないくらいである。


富士宮市内、郊外型の広々としたバイパス。

 最終、市内でちょこちょこと右左折を繰り返した後、R139はいったん高架のR1の下をくぐり、南からR1に合流するという変な形で終了する。工場地帯の無機質な風景の中ではあるが、真正面に見える富士山が実に印象的だ。


高架の道路がR1、終点となる。これまで車窓を飾ってくれた富士山を正面に見ながらのゴールとなる。

 というわけで全線を完走した。なんだか終わりに近づくほど立派になってくる国道である。観光地を結んで走るので筆者も何度も通っているのだけれど、実は全線走ってみると意外な素顔を隠し持っている道でもある。

本文中では書かなかったが、この国道にはあちこちに旧道らしい道が残っており、かつてのルーティングを推定しつつ現在の道と走り比べをしてみるなどという凝った楽しみ方もできる。富士五湖や氷穴など観光地めぐりもいいけれど、旅の楽しみはそれだけでもない。初心者から上級者まで楽しめる国道139号、おすすめの一本である(ただし夏場はかなり渋滞するときもある。覚悟の上でどうぞ)。

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