☆Wikipediaに関して作者よりの呼びかけ

 

 「ウィキペディア」というサイトをご存知でしょうか。ネットにつながる誰でもが項目を作ることができ、誰でもが自由に既存の項目を書き換えることができる、著作権フリーのオンライン百科事典です(詳しくはこちらあたりを)。かなりマニアックな単語も収録されており、調べ物の際には非常に役に立つサイトです。

 本ホームページ2004年11月の「雑文雑記」のコーナーで、このウィキペディアの化学関係の項目の充実を訴えたことがあります。当時は日本語版の項目数は8万程度しかなく、化学用語に関しては高校程度の単語さえ登録されていない淋しい状況でした。それから1年半ほど経ち、総項目数は20万を突破、化学に関する項目についてもだいぶ増強されてはきました。とはいえ本家英語版に比べれば項目数は5分の1以下、個々の項目の充実度もまだまだと思われます。

 というわけで、もう一度ここで化学者のみなさんに協力を呼びかけたいと思います。現状のウィキペディアにはまだまだ穴も多く、専門家でなく高校生や大学生の方でも十分役に立つ項目を書けると思います。それぞれの専門分野について書いていただくのもよいですし、まだまだ不十分な日本の化学者の項目を充実させるのも意味があると思います。一項目書くためにいろいろ調べ物をしたり、英語版を翻訳するなどすることで、学生のみなさんにとってはなかなかよい勉強になるかと思います(ただし著作権法に違反しますので、本や既存のホームページからの丸写しは避けて下さい)。

 ウィキペディアの書き込みにはHTMLのタグに似た独特の「文法」があり、使いこなすには多少の慣れが必要です。筆者もまだまだ使いこなせるほど熟達していませんが、最初は既存の項目の追加訂正から始め、新設する場合は似たような項目のソースをコピーして改造するやり方がまずは便利で、原理も飲み込みやすいと思います。

 項目作成は最初から完璧に書こうと思うとちょっと大変ですが、そこまで気張る必要はありません。とりあえず項目を作って自分の知っていることを書いておくだけでも十分です。表現にまずいところがあれば誰かがすぐ整理してくれますし、内容も詳しい人がすぐ追加してくれます。こうして自分がちょっと書いた事柄が見る間に成長して立派な項目になっていくのを見るのは、なかなか楽しいことです。このあたりがオープンソースというシステムのよいところでもあります(面白い例として、卵かけご飯の項目を挙げておきましょう。凄いことになっているので、一見の価値ありです)。

 項目の新設・編集にあたり、もし「有機化学美術館」の記事が役に立つ場合があったら、外部リンクしていただくことはもちろん、画像も特に筆者に断りなく使用していただいて結構です。必要であれば適宜加工していただいてもかまいません(ウィキペディアでは画像のフォーマットにgifではなくpngファイルを使っていますので、コンバータなどで変換していただく必要はあります)。

(※この文を書いた後、著作権上画像の使用は問題があるとの指摘を受けました。筆者の認識不足でした。というわけで画像使用の件は撤回致します。もしもう画像を使用して項目を作成している方がおられたら、お手数ですが削除をお願いします。申し訳ありませんでした。)

 

 最近、「Nature」誌が英語版ウィキペディアの科学関係の項目についてその正確度を調査したところ、エンサイクロペディア・ブリタニカのそれに十分匹敵するという評価がなされました。ネットに参加する無数の人たちの、少しずつの知識を統合すると、その分野の権威が書いた文章と対等な結果を生み出すというのは非常に面白いことです。「ネット上の知の集積」といえば壮大な事業に聞こえますが、実際には皆が少しずつ知っていることを寄せ集めるだけで素晴らしい結果が生まれます。日本全体の科学知識のレベル向上のため、読者の皆さんのほんのちょっとの空き時間と手間を提供していただけないでしょうか。汗を流さずとも、まとまった時間を割かなくても、非常に意味のあるボランティア活動になるのではないかと思います。

 

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