☆タマリンドドリンク(ベトナム)

 さて筆者はこの4月から転勤となり、今までとは違う研究所に移りました。と、新しい環境に不安と期待を抱きつつ引っ越し作業をする筆者の目の前に、ひとりの青年がやってきました。同じチームに配属となった後輩、KT君です。彼はニコリとほほえんで開口一番、

「あの……佐藤さんですよね?毒物ドリンクのページ楽しみに見てます」

うわあっ!( ̄□ ̄;)いや、商売柄有機ページはバレてる可能性が高いと思ってたんですが、まさかいきなり毒物方面から来るとは思っていませんでした。有名になったことを喜ぶべきか、アホを満天下にさらけ出していることに危機感を持つべきか、これはたぶん後者でしょう。なんとも恐ろしいことです。

さてこのKT君が休み明け、筆者の元に満面の笑顔で現れました。

「こないだベトナムに行って来たんで、さとうさんのために買ってきたんですけど、よければどうぞ」


いきなりそう来ますか。しかし何だよこれ。

「Tamarind drink……?タマリンドって何?」

「いや、何だかわからないけどウンコに似てますよね

得体の知れないウンコに似た物体の絞り汁を、同じチーム所属で仮にも年長者である筆者に飲ませようというのですから、この青年も端正な顔をしてなかなかの食わせ者です。もしかしてこれが世間でいうところの「手荒い歓迎」というやつなのでしょうか。

「大丈夫なんかなこれ……」

「いや、高級リゾートホテルに備え付けてあったやつですから、きっと向こうでは庶民の口には入らない高級品ですよ。いい品です、絶対」

「ほんと?うまかった?」

「(白い歯をきらめかせながら)いや、飲んでないんでわかんないっす」

やはり食わせ者です、この男。ま、下手に会社で飲んで腹を壊しでもしたらそれこそいい笑いものですから、とりあえず家に持ち帰ってゆっくりと飲むことに決定。

 それにしてもタマリンドとはいったい何か。「敵を知り、己を知りて戦えば百戦して危うからず」と孫子の兵法にもあるくらいですから、とりあえずまずはGoogleで検索をかけてみました。しかしページによって豆であるとか果物であるとか、味も甘いとか酸味があるとか、どうもはっきりしないことが書いてあります。外国のページも一応見てみたのですが、語学にうとい筆者にはなんのこっちゃです。筆者なりに最善の努力を払ってみましたが、タマリンドに関してはウンコに似ているという以上の情報は得られないままに終わりました。困ったものです。

 となればこの際正面からぶつかるよりないでしょう、フタをオープン。む、プシュッという音と共に何やら白っぽい瘴気が立ち上ったように見えました。きっと気のせいだろうと自分に言い聞かせつつ、においをかいでみます。

「・・・・・・・(-"-)」

微妙です。筆者は「ビミョー」という表現は「逃げ」であり、安易に使うべきでないと思っているのですが、しかしこいつはとにかく微妙としかいいようがない香りです。まあ最低限食品の範疇内には入っている匂いなのですが、とにかく日本国内ではかいだことのない系列の匂いです。てことで思い切って口に含んでみましょう。「口に含む」って表現、なんかいいですね。ごっくん。

「・・・・・・・(-"-)」

 全く得体が知れない味です。確かに妙に甘ったるいけど酸味もあり、果実のようでいてマメ科植物的テイストも感じさせる。どうにも筆者の文章力では「どんな味」と表現できません。まあひとつ確かに言えるのは「まずい」ということです。口の中に残るヘヴィかつディスガスティングな後味、百戦錬磨の筆者をもってしても咽頭を通過させるのに多大な努力を要します。ぶっちゃけ飲めたもんじゃねえんだよバカ野郎。というわけではるばるベトナムから運ばれてきた汁は、茶色い渦となって流しに消えていきました。

 ということでおめでとうKT君、これは立派な毒物です。とりあえず次にどこかに行く時には、普通に食えるマトモな土産を買ってきてほしいと心の底からお願いしておく次第です。

 

 評価:★★★★★

 

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