☆日本最狭国道?恐怖の暗峠(R308・奈良県奈良市〜大阪府東大阪市)

 大阪から奈良を結ぶ国道308号の県境、その名も「暗峠(くらがりとうげ)」は、日本全国の国道の中でも屈指の「濃い」区間として知られています。名前も凄いが中身はもっととんでもない、その実体を特別レポート。

 R308は奈良市のR24から分かれてスタートし、しばらくはまあまあまともな道が続きます。途中で道が分岐しますが、案内は国道308号方面でなく、阪奈道路(県道8号)方面へ誘導しようとします。構わず突き進むとだんだん道が細くなり、県道7号との交差点(砂茶屋交差点)を過ぎてからは民家の間を縫う単なる路地に成り下がります。

砂茶屋交差点。案内表示の正面方向、国道なのに行き先の地名がない上、心なしか線も細くなっているのが笑える。

 田んぼの中のあぜ道みたいなところを過ぎると、細いだけでなくとんでもない急坂にさしかかります。この段階でもう国道とは信じ難い状況ですが、これはまだ前座。

ブロック塀を見ると急坂っぷりがわかる。対向車なんぞ来た日には半泣きである。

 急坂地帯を抜けると第二阪奈道路と並走しますが、不法投棄された粗大ゴミが道をふさいでいたりして、国道としての風格は皆無です。峠までは10kmないのですが、この10kmはとてつもなく遠い10kmでした。

 いよいよ峠にさしかかるところでこんな表示が。

転回不能ってアンタ。

 普通自動車の幅はだいたい1.7mですから、ここを通る車は全て道交法違反ということになります。もはや何のための国道であるのかさっぱりわかりません。

 急坂を登ることしばし、ついに頂上に到着。

おもむろに石畳。

 ダートとかコンクリ舗装の国道はありますが、石畳の国道ってのはここくらいでしょう。風情があるといえばありますが、実際には狭苦しくてそんなことを味わうゆとりはありません。大阪側には「道路狭小につき通り抜け御遠慮願います」などという国道にあるまじき看板も立っています。

今からそう言われてもどうしようもないのだが。

 ちなみにこの付近の一番狭いところの道路幅は約2.2mだそうで、度胸とテクニックさえあれば抜けられないこともない、という程度ではあります。なおここらはハイキングコースとしてはメジャーなところらしく、リュックを背負った歩行者がたくさんいて、確かに車で入り込む場所ではなさそうです。

 

大阪側から振り返る。なんと左のコンクリ舗装の方がR308。

 この後道は大阪側へ降りて行きますが、奈良側に輪をかけたとんでもない超急坂です。ローギアでゆっくりゆっくりと降りて行きますが、ほとんどスキー場の中級コースなみの狂ったような坂で、ここで一気にブレーキパッドを使い切ってしまいました(笑)。あまりのことに撮影の余裕もなかった(下手な止め方をすると車ごと転げ落ちそうだったし)ので写真は残念ながらなし。

 この道、実は建設省(当時)選定の「日本の道100選」にも選ばれており、これほど中身と肩書きに開きのある道もそうないと思われます。奈良−大阪間には片側2車線の立派な阪奈道路(府県道8号)、高速道路並みの規格の第二阪奈道路が開通しており、今や暗峠の国道としての存在価値は何もありません。しかしこの類例のない無意味さ加減、勇気のある人はぜひチャレンジしてみてほしいと思います。なお、ここからの大阪の夜景は非常に美しいとのことなのですが、夜に大阪側から車でこの道を登るのは筆者としてはあまりおすすめはしませんので念のため。

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