☆道の始まるところには

 国道を端から端まで走る、ということを我々国道者はよくやります。旅の始まるところ、終わるところはたいてい愛想のないただの交差点ですが、何かモニュメントでもあればやはり記念撮影のひとつもしたくなるというものです。

 国道起点のモニュメントといえばまずは東京・日本橋の「日本国道路元標」でしょう。古くは東海道の起点でもあった場所ですが、現在は国道1号(〜大阪市)、4号(〜青森市)、6号(〜仙台市)、14号(〜千葉市)、15号(〜横浜市)、17号(〜新潟市)、20号(〜塩尻市)の7本の国道の起点となっています。日本全ての道路の総元締めにふさわしい、風格のあるたたずまいです。

国道界の聖地、日本国道路元標。

 さてそのR1をどこまでも行くとどうなるかというと、大阪市の梅田新道交差点にたどり着いてジ・エンドとなります。ここでR1がR2(〜北九州市)に切り替わるわけですが、この交差点はさらに南方向がR25(〜四日市市)、北がR176(〜宮津市)のそれぞれ起点となっており、4方向に違うナンバーの国道が出ているおそらく全国唯一の交差点になっています。ちなみにこの他R26(〜和歌山市)、R163(〜上野市)、R165(〜津市)が他の国道に重複してここまで来ているのですが、どういうわけかR423(新御堂筋、〜亀岡市)はこのすぐ近くまで来ているにも関わらず、起点はここではありません。というわけで梅田新道交差点は7路線の起終点を兼ねていることになります。

大阪市道路元標。ここを起終点とする国道が記されている。

 日本橋から北上するR4の終点は青森市ですが、ここには「国道の碑」が建てられています。見た目はずっと続いている大通りですが、この石碑を境にR4はR7(〜新潟市)に切り替わります。この他R45・101・280がここを起終点としています。

青森市「青い森公園」前にある「国道の碑」。

地方都市にも多数の起終点が集まっている場所は多く、例えば高知市の「県庁前」交差点はR32・33・55・56・194・195の6起終点が集まっています。

高知市の起終点標。6角柱で6本の国道が刻んである。こいつぁわかりやすい。

 3起終点は全国の地方都市にもたくさんありますが、中でも群馬県長野原町の羽根尾交差点には立派なモニュメントが建てられています。市ではなく町にある3起点、またR144・145・146と連番が集まっているという意味でも珍しいケースです。

羽根尾3起点のモニュメント

 しかしこれらのポイントを差し置いて全国最多の起終点が集まっているのは、新潟市の「本町」交差点なのです。ここにはR7・8・17・113・116・289・350・402の8路線が集まっています。

新潟市本町交差点と、そこに設置されている石碑。なんてことない交差点である。

 この他新潟市にはR49・345・403・459の起終点がありますが、これらは元標数km前で力尽きて終わります。このあたりがどうやって決まるのかは全くの謎です。

新潟市にこれだけの国道が集中しているのはもちろん本州日本海側最大の都市であるからでしょうが、土木工事を盛んに行った地元出身の某政治家の影響もないとはいえないでしょう。実際道路地図を見ると、新潟県内は他に比べて妙に赤い色(国道の色)が目立ちます。高速道路そこのけの豪華なR7・8・17・116などのバイパス群と共に、この8起終点もまた「怪物の遺産」のひとつなのでしょう。

 

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